
Instagram API申請完全ガイド
Instagramの投稿・ストーリーが広告やビジネス分析で重視される今、API連携はWeb制作者・開発者にとって必須のスキルとなっています。2025年現在、Instagram APIを活用する企業は国内で1万社を突破し、SNS経由のユーザー流入も前年同期比で約32%増加。一方、「認証や仕様変更が難しくてAPIの導入を諦めた」「どのツールやプランが最適なのか判断できない」と悩む声も多く、「投稿データの自動取得や連携を効率化したい」「APIの制限事項を把握してリスクを減らしたい」と感じていませんか?
本記事では、最新のInstagram APIの種類・2025年の重要変更点・導入手順から、よくある失敗事例やトラブル対策まで、実績豊富なWeb開発経験者が徹底解説。先延ばししていると公式API廃止や仕様変更で大きな損失が生じるケースも――今知っておくべき情報を初心者でも理解しやすくまとめました。
目次
Instagram APIとは?基本概念と2025年最新動向
Instagram APIは、外部のアプリケーションやサービスがInstagramの情報やコンテンツへ安全にアクセスできる仕組みです。ビジネスや個人の利用者がInstagramアカウントと連携し、投稿の取得、分析、マーケティングツールへの組み込みなどが可能となります。
年々大規模な仕様変更が発表され、2025年もプライバシーやセキュリティを重視したアップデートが続いています。APIの利用シーンは投稿管理やデータ取得、フォロワーの分析など多岐にわたり、SNS運用の効率化を目指す場面で欠かせない存在です。
2025年の重要な変更点
重要なアップデート情報
- Instagram Basic Display APIの完全終了:2024年12月4日にInstagram Basic Display APIの提供が廃止されました。個人アカウントのデータを外部から取得することが完全に不可能になりました。
- 個人アカウントの外部連携が不可能に:Basic Display APIの廃止により、個人アカウントの外部連携ができなくなりました。
- ビジネス・クリエイターアカウントのみ継続利用可能:プロアカウント(ビジネス・クリエイターアカウント)の場合はInstagram Graph APIを通じて引き続きデータ取得が可能です。
Instagram APIはMeta(旧Facebook)が提供する公式のAPIで、認証を受けた外部アプリがユーザーのInstagramデータにアクセスできる仕組みです。認証プロセスはOAuth2.0を採用しており、アカウント保護と情報の安全利用が両立されています。
Instagram APIの種類と機能
2025年現在、Instagramが提供するAPIは主に「Instagram Graph API」を中心とした構成に再編されています。個人向けの旧Instagram APIはすでに廃止され、主にビジネスアカウントおよびクリエイターアカウント向けに設計されたAPIが提供されています。
種類 | 主な対象 | できること | 制限・注意点 |
---|---|---|---|
Basic Display API | 個人・クリエイター | 写真・動画の取得、プロフィール情報取得 | 投稿取得のみ、編集不可 ※2024年12月4日に廃止 |
Graph API | ビジネス・開発者 | アカウント分析、コメント・投稿・インサイト取得 | ビジネスorクリエイター限定 |
公開API | 一般公開API | 公開範囲の情報取得 | 廃止・仕様変更が多い |
Instagram Graph API – ビジネス向けの主力API
Instagram Graph APIはビジネスアカウントとクリエイターアカウント専用のAPIです。投稿の作成・編集・削除、コメントの管理、パフォーマンス分析、ハッシュタグの検索、メンション機能などが利用可能で、企業のソーシャルメディア戦略を包括的にサポートする機能が揃っています。
できること・できないこと
できること
- プロフィール情報の取得・更新
- 自分の投稿の取得、新規投稿(画像・動画含む)
- 自動投稿の予約管理
- フォロワー数・リストの取得(ビジネスのみ)
- 投稿へのいいね・コメントの取得と分析
- エンゲージメント、リーチ等の詳細データ取得
- 自分のストーリーやリールの取得・分析
できないこと
- 他人の投稿やプロフィールの詳細情報取得
- DMの送信や取得(厳しく制限)
- APIでの自動フォロー・アンフォロー
- アプリからストーリー・リールの投稿
- いいね・コメントの自動大量送信
- 個別フォロワーの詳細な属性取得
API申請に必要なアカウントの準備
Instagram APIを活用するには、事前のアカウント準備が欠かせません。基本的に必要なのは以下の2つです。
必要なアカウント
- Facebookアカウント(本名で作成)
- Instagramアカウント(ビジネスまたはクリエイターアカウントに切り替え必須)
アカウント準備の手順
-
Facebookアカウントの作成
まだFacebookアカウントをお持ちでない場合は、本名で新規登録してください。APIの申請と認証に使用します。
-
Instagramをビジネスアカウントに変更
Instagramアプリ内の「設定」→「アカウント」→「プロアカウントに切り替える」からビジネスまたはクリエイターアカウントを選択します。個人アカウントではAPIの一部機能が制限されるため、必ずビジネスアカウントに切り替えてください。
-
FacebookページとInstagramアカウントの連携
ビジネスアカウントへの切り替え過程で、Facebookページとの連携が求められます。既存のFacebookページを選択するか、新規作成して連携させてください。この連携はAPI利用において重要なステップです。
Instagram APIは個人アカウントでは利用できません。必ずビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントに切り替えてください。
Metaアプリと開発者登録の流れ
Meta(旧Facebook)の開発者登録とアプリ作成はInstagram API導入の要となります。以下の手順に従って、正確に進めていきましょう。
Meta for Developersにアクセス
Meta for Developersのウェブサイトにアクセスし、Facebookアカウントでログインします。
新規アプリを作成
「マイアプリ」メニューから「アプリを作成」ボタンをクリックします。
- アプリ名を入力します(後から変更可能)
- ユースケースは「その他」を選択
- アプリタイプは「Business」を選択
- ビジネスポートフォリオは未選択のままで「アプリを作成」
Instagram APIの追加
作成したアプリのダッシュボード左メニューから「商品を追加」→「Instagram」を選択します。
アプリ設定
左メニューから「アプリの役割」>「役割」を選択し、「メンバーを追加」をクリックします。「Instagramテスター」を選び、自分のInstagramアカウントのユーザー名(@の後ろ)を入力してユーザーを追加します。
ポイント:APIの追加は使用目的に応じて選択します。投稿取得や分析目的であればGraph APIを、単純な画像表示であればBasic Display APIを選びましょう(ただしBasic Display APIは2024年12月に廃止)。
アクセストークンの取得方法
Instagram APIでデータを取得する際はアクセス権限が必要です。そのためにアクセストークンの取得が必須となります。アクセストークンはAPIへのアクセスの際に認証情報として付与し、ユーザーの情報や投稿データ、画像の取得が可能となります。
アクセストークン取得の基本手順
APIを設定する
左メニューから「Instagram」→「InstagramログインによるAPI設定」を選択します。「1. アクセストークンを生成する」の項に追加したユーザーが表示されていることを確認し、「トークンを生成」リンクをクリックします。
アクセストークンの取得
モーダルが開いてアクセストークンが表示されますので、忘れずにコピーして保存しておきます。このトークンにはInstagram Graph APIの基本的な権限が含まれています。
アクセストークンに含まれる標準的な権限:
instagram_business_basic, instagram_business_manage_messages, instagram_business_content_publish, instagram_business_manage_insights, instagram_business_manage_comments
長期アクセストークンへの変換
生成されたトークンには期限があります。長期運用では、トークンを更新するプロセスまたは長期トークンへの変換が必要です。Meta公式の「アクセストークンデバッガー」ツールで、取得したトークンの情報や有効期限を確認できます。
アクセストークンは非常に重要な認証情報です。外部に漏れないよう安全に保管し、アプリ内での保管方法にも注意してください。トークンの有効期限管理と自動更新プロセスの組み込みも忘れずに。
アプリレビュー申請プロセス
長期運用やパブリック利用を想定する場合、Metaへのアプリレビュー申請と審査が必須です。審査には、利用するAPIの目的やユーザーへの説明責任が求められ、申請が承認されるまで本番環境での全機能使用はできません。
申請の主なポイント
- アクセスするデータの必要性と妥当性:なぜそのデータへのアクセスが必要か明確に説明
- ユーザーへの利用目的説明:どのようにデータを使用するかの透明性
- プライバシーポリシー掲載の有無:適切な個人情報の取り扱いについての方針
- 正しい認証フロー実装と安全性:セキュアな実装がなされているか
審査申請の流れ
- アプリ設定の完了:基本設定、プライバシーポリシーURL、利用規約などの設定
- 必要な権限の選択:APIで使用するデータアクセス権限の明確化
- 詳細な説明資料の準備:アプリの目的、使用方法、画面キャプチャなど
- レビュー申請の提出:Meta開発者ダッシュボードから申請を送信
- 審査対応:Metaからの質問や追加資料要求への対応
- 承認後の公開設定:承認後、アプリを本番モードに切り替え
審査のコツ
- 申請はできるだけ日本語で明確に記入する
- スクリーンショットや動画で具体的な使用例を示す
- リクエストするデータの必要性を具体的なユースケースと共に説明
- 個人情報の扱いに関する説明を丁寧に行う
- アプリの目的と機能を簡潔に説明する
審査には数日から数週間かかる場合があります。計画的に余裕を持って申請を行いましょう。不承認の場合は理由をよく確認し、修正して再申請することが可能です。
よくある質問と失敗事例
API利用でよくある質問と解決方法
質問内容 | 解決策・ポイント |
---|---|
APIの利用は有料ですか? | 基本機能は無料ですが、大規模利用や追加機能は有料プランがあります。APIの種類によって細かな料金体系が異なるため事前確認が重要です。 |
APIで取得できるデータ範囲は? | 取得可能な項目はAPIバージョンや権限設定で異なります。投稿データ・画像・いいね数・フォロワー数・プロフィール情報などが主な取得対象です。 |
投稿や画像の自動取得は可能ですか? | 可能ですが、アクセストークン取得や正しい認証が必要です。また自動取得機能は連携アプリによって操作方法が異なるため、各サービスに則した設定を行うと効果的です。 |
Instagram Basic Display APIはいつ廃止されましたか? | 2024年12月4日に提供が廃止されました。現行APIの最新状況は公式情報で必ず確認しましょう。 |
初心者がつまずくポイント・トラブル事例
アクセストークンの取得ができない
FacebookとInstagramビジネスアカウントの正確な連携設定が必要です。権限不足や認証エラーが多発するため、公式手順を厳守しましょう。
アカウント連携エラー
Facebookページとの連携ミスや管理者権限の未設定が主な原因です。ビジネスアカウント・クリエイターアカウントのみAPI連携が可能です。
API申請や審査に時間がかかる
審査基準により追加資料や説明が求められる場合があります。事前に審査条件や提出書類を用意しておくとスムーズです。
画像や動画の自動取得がうまくできない
取得には正しいエンドポイントの選択とパーミッション設定が必須です。最新のAPI仕様やサポート情報も随時確認しながら設定を進めましょう。
トラブル防止チェックリスト
- ビジネスアカウント化とFacebook連携を完了させる
- APIバージョンとパーミッションを最新に設定
- 申請・審査は事前準備と公式ドキュメントの活用
- アクセストークンの有効期限管理と自動更新処理を導入
- 認可フローやリダイレクトURIの設定を確認
トラブルシューティング
Instagram API利用時には様々なトラブルが発生する可能性があります。以下に主なトラブルと対策をまとめました。
主なトラブルと対応策
Invalid Token エラー
原因:トークン期限切れ、無効なトークン
対策:自動リフレッシュ処理導入、トークン再取得
Permission Denied エラー
原因:権限不足・スコープ不足
対策:アプリ設定画面で必要な権限を追加、再度認証フローを実行
Rate Limit Exceeded エラー
原因:APIリクエスト上限超過
対策:リクエスト頻度を下げる、レート制限ロジックの実装、キャッシュ機能の活用
API Endpoint Not Found エラー
原因:仕様変更・エンドポイント廃止
対策:最新APIドキュメントを確認、エンドポイントURLの見直し
公式情報と信頼できるサポート先
トラブル解決には信頼できる情報源を活用することが重要です。
公式ドキュメント
Meta公式の開発者ドキュメントは最新かつ正確な情報源です。APIの詳細仕様や変更情報はこちらで確認しましょう。
Meta for Developers - Instagram Platform開発者コミュニティ
他の開発者の経験やソリューションが参考になります。Stack OverflowなどのQ&Aサイトも活用しましょう。
まとめ
Instagram APIは2025年現在、大きな変革期を迎えています。Instagram Basic Display APIの終了により、個人アカウントのデータ取得が不可能になった一方で、ビジネスアカウントとクリエイターアカウントは引き続きInstagram Graph APIを通じて豊富な機能を利用できます。
Instagram API活用の重要ポイント
- アカウントはビジネスまたはクリエイターアカウントに設定し、Facebookページと連携する
- Meta for Developersでのアプリ登録と設定を正確に行う
- アクセストークンの取得と有効期限管理を徹底する
- パブリック利用の場合は、アプリレビュー申請を計画的に行う
- API制限を理解し、適切なエラーハンドリングを実装する
- 常に最新のAPI情報をチェックし、変更に対応できる準備をする
Instagram APIの活用により、マーケティング効果の向上、業務効率化、ブランド価値の向上など、多くのメリットを得ることができます。適切な理解と対応により、Instagram APIを効果的に活用し、ビジネスの成長につなげていきましょう。
Instagram APIは今後も継続的に変化していくでしょう。定期的に公式情報をチェックし、自社のシステムやアプリケーションが最新の仕様に対応できるよう、柔軟な設計と運用を心がけることが重要です。本記事が皆様のInstagram API活用の一助となれば幸いです。
著者名
SEOスペシャリスト・Web開発者
経済学部出身。SEO記事を100本以上執筆し、オウンドメディアの企画・ディレクションを担当。検索意図に応える記事構成と、実践的なSEOノウハウを提供しています。