先に結論を書きます。
中古スマホを安く買おうとすると、たいてい「状態の悪いものを選ぶ」方向に考えが向きます。でも実際に値段を数えてみると、そこで浮くお金はあまり大きくありません。
中古スマホ通販のにこスマで、条件を揃えて比べました。iPhone 14の128GB・SIMフリー版で、いちばんキレイなAグレードとひとつ下のBグレードの差は4,700円。バッテリー最大容量が80%台前半の個体と95%以上の個体の差は4,200円でした。
一方で、世代をひとつ下げると1万円から3万円動きます。つまり値段を決めているのはほぼ世代で、見た目やバッテリーの差は、思っているより小さいということです。
この記事では、にこスマが公開しているデータから在庫3,866台分の価格・グレード・バッテリー最大容量・容量・元キャリアを取り出して集計し、「どこを削ってよくて、どこを削ってはいけないのか」を出します。
結論:キズで削れるのは4,700円。値段を決めているのは世代です
ものの値段が上がり続けているので、スマホの買い替えも身構えます。そこで中古を検討すると、次に迷うのが「どこまで妥協するか」です。
多少キズがあっても安いほうがいい。バッテリーは80%あれば十分。そう考えて条件を落としていくことになりますが、実際にその妥協でいくら浮くのかは、あまり語られていません。
中古スマホ通販の「にこスマ」は、商品ページのデータを公開しています。そこから在庫1台ごとの価格・グレード・バッテリー最大容量・容量・元キャリアを取り出して、iPhone 11から16 Proまで11機種・合計3,866台を集計しました。2026年8月20日時点のスナップショットです。
結果を先に書くと、こうなります。
キズの度合い(グレード)をひとつ落として浮くのは4,700円。バッテリーを妥協して浮くのも4,200円。
一方で世代をひとつ動かすと1万円から3万円変わり、iPhone 11とiPhone 16では79,600円の開きがあります。つまり、中古スマホの値段はほとんど世代で決まっていて、状態の妥協はそこに数千円を足し引きしているだけ、ということです。

グレードを1つ落とすと、4,700円安くなります
にこスマは端末の外観をA・B・Cの3段階に分けています。条件を揃えるため、iPhone 14の128GB・SIMフリー版だけを抜き出しました。844台あります。
| グレード | 台数 | 中央値 | Aとの差 | 公式の説明 |
|---|---|---|---|---|
| A 外観プレミアム | 257 | 67,000円 | — | 新品に近い状態 |
| B 画面クリア | 511 | 62,300円 | −4,700円 | 本体に使用感/ディスプレイはきれい |
| C 目立つ傷なし | 76 | 55,400円 | −11,600円 | ディスプレイに細かな傷など使用感 |
ここで注目したいのは、AとBのあいだにあるものです。にこスマの検品ページには、それぞれこう書かれています。
AとBの違いは、本体側の使用感だけです。ディスプレイについてはBも「きれいな状態」と書かれています。
そしてBの説明にある「ケースをつければ気になりません」という一文。ケースを付けて使うつもりなら、4,700円は基本的に隠れてしまう面のために払うお金ということになります。
逆に、BとCのあいだには質の違う線があります。Cは「ディスプレイに細かな傷など使用感があります」。画面はケースで隠せないので、ここは毎日目に入ります。BからCへ落として浮くのは6,900円ですが、この6,900円は前の4,700円とは意味が違う、と考えたほうがいいと思います。
なお、にこスマが「三つ星スマホ」と呼んでいる出荷条件には「全てのグレードで画面や本体に割れや欠け無し」とあります。Cグレードでも割れた端末は出てこない、という前提です。
バッテリーは20%分の差が4,200円。ここは削らないほうがいい
次にバッテリーです。にこスマは商品1点ごとにバッテリー最大容量を数値で書いているので、同じ条件(iPhone 14・128GB・SIMフリー版・Bグレード)の511台を容量の帯ごとに分けて集計しました。
| バッテリー最大容量 | 台数 | 中央値 | 80〜84%との差 |
|---|---|---|---|
| 80〜84% | 25 | 61,600円 | — |
| 85〜89% | 409 | 62,300円 | +700円 |
| 90〜94% | 39 | 63,700円 | +2,100円 |
| 95〜100% | 38 | 65,800円 | +4,200円 |
80%台前半と95%以上で4,200円。バッテリーの持ちが2割近く違うことを考えると、この差はかなり小さく見えます。
そして、この4,200円を惜しむべきでない理由が、保証のページに書いてあります。
キズは我慢すれば済みますが、バッテリーは我慢では戻りません。同じ4千円台の差でも、グレードは落としてよくてバッテリーは落とさないほうがいい、というのはここが理由です。
容量は世代1つ分。元キャリアはほぼ関係ありません
残る2つの要素も見ておきます。
容量は、iPhone 14・SIMフリー版・Bグレードで比べると128GBが62,300円、256GBが73,800円。差は11,500円です。これは世代をひとつ上げるのとほぼ同じ金額なので、「128GBのiPhone 15」と「256GBのiPhone 14」が近い価格帯で並ぶことになります。どちらを取るかは使い方次第です。
元キャリアのほうは、拍子抜けするくらい効きませんでした。iPhone 14・128GB・Bグレードで見ると、SIMフリー版が62,300円、au版とドコモ版が61,600円、ソフトバンク版と楽天モバイル版が61,950円。最大でも700円差です。
そもそもにこスマは「SIMフリー、SIMロック解除済みのみ」を扱うと明記しています。商品名に付いているキャリア名は、どこで売られていた個体かという出自の表示で、使えるキャリアが限られるという意味ではありません。価格差がほぼ無いのも納得できます。

値段を本当に動かしているのは世代です
ここまでの要素は、どれも数千円から1万円強でした。世代だけが桁の違う動き方をします。128GB・SIMフリー版に揃えた中央値を並べます。
| 機種 | 台数 | 中央値 | ひとつ下との差 |
|---|---|---|---|
| iPhone 11 | 63 | 35,200円 | — |
| iPhone 12 | 222 | 36,500円 | +1,300円 |
| iPhone 13 | 272 | 50,800円 | +14,300円 |
| iPhone 14 | 844 | 62,300円 | +11,500円 |
| iPhone 15 | 575 | 84,700円 | +22,400円 |
| iPhone 16e | 67 | 90,600円 | ※15より高い |
| iPhone 16 | 421 | 114,800円 | +30,100円 |
iPhone 15から16でいきなり3万円上がるので、「最新に近いほど高い」という当たり前の形にはなっています。
ただ、下のほうを見ると様子が違います。iPhone 11とiPhone 12の差はわずか1,300円でした。1世代新しいものが1,300円しか変わらないなら、この価格帯では12を選んでおくほうが素直だと思います。
もうひとつ目を引いたのが iPhone 16e です。中央値90,600円で、iPhone 15の84,700円より高くなっていました。16eは16世代の廉価版という位置づけですが、少なくともこの日の在庫では、1世代前の標準モデルのほうが安く買えたことになります。
同じ条件の在庫は、1円も値段が違いませんでした
集計していて、いちばん意外だったのがこれです。
iPhone 14・128GB・SIMフリー版・Bグレード・バッテリー85〜89%。この条件に当てはまる在庫は409台ありましたが、価格は全台62,300円ちょうどで、1通りしかありませんでした。
中古品は1台ずつ状態が違うので、同じ機種でも値段がばらつくものだと思っていました。少なくともにこスマでは、条件が同じなら値付けも同じでした。
これは買う側にとっては楽な話です。同条件の在庫を何ページも見比べて安いものを探す、という作業が要りません。条件を決めたら、あとは色と360度写真の見え方で選べば済みます。
逆に言うと、値切る余地も、掘り出し物を見つける余地もありません。安くしたいなら、グレードを下げるか、容量を下げるか、世代を下げるか。その3択がそのまま価格表になっている、という構造です。
「あんしん1年保証」は、落として壊した分までは見てくれません
安く買えても、壊れたときに高くつけば意味がありません。にこスマの保証がどこまで見てくれるのかを確認しておきます。
この保証は「初期不良品がお手元に届きましたら」という書き出しで説明されていて、期間は発送日から1年間です。そして対象事例として並んでいるのが、上の表に引いた項目になります。「過失や事故などに起因しない故障」という一文も入っています。
ネットワーク利用制限がかかった場合(いわゆる赤ロム)は、1年に限らず永久保証と明記されています。
見てもらえないのは、落とした・濡らしたといった自分の過失によるものと、先ほどのバッテリーの経年劣化です。この2つをカバーしたい場合は、別のサービスが用意されています。
月500円なので、年間では6,000円。本体を安く買った分を、ここでどれだけ使うかという話になります。
免責金額も免責期間もなく、修理費は年7万円まで回数制限なし。落としやすい自覚がある人には合う条件だと思いますが、3年使えば18,000円になるので、「グレードを1つ下げて浮いた4,700円」とは比べものにならない金額です。本体価格だけで判断しないほうがいい部分です。
注文まわりで押さえておくこと
最後に、価格以外で判断に効いてくる条件をまとめます。
返品まわりの条件も書いておきますが、先に言っておくと、返せるからとりあえず買ってみる、という買い方はおすすめしません。自己都合の返金は発送後14日間だけで、返金手数料は購入者の負担になります。返送のやりとりも含めて、手間のほうが確実に大きいです。
中古品は1台ずつ状態が違うので、迷ったら注文する前に360度写真を拡大して見るほうが早いと思います。「あえて傷が目立つように光の充て方を工夫している」と公式に書かれているので、写真で許せるなら実物でも許せる可能性が高い、という見方ができます。
そのうえで、届いたら早めに動作を確認しておいてください。写真と実物の差、バッテリー最大容量の表示、各ボタンやカメラの動作。不具合があった場合は、初期不良として30日以内なら返金にも対応してもらえて、手数料も同社の負担になります。
数字は在庫の集計です。買う前に最新の価格を見てください
この記事の金額は、2026年8月20日時点でにこスマのサイトに並んでいた在庫を集計したものです。中古品なので在庫は毎日入れ替わり、価格も変わります。ここで書いた差額の傾向は、条件を揃えて選ぶときの目安として使ってください。実際に買う金額は、必ず公式サイトの商品ページでご確認ください。
▶ にこスマで今の在庫と価格を見る
※ 中古品のため、在庫と価格は日々変動します
まとめ
にこスマの在庫3,866台を集計して分かったことを整理します。いずれも2026年8月20日時点のスナップショットです。
・値段を決めているのはほぼ世代。iPhone 11と16で79,600円の差
・グレードをAからBに落として浮くのは4,700円だけ
・AとBの違いは本体側の使用感で、ディスプレイはBもきれいと公式に書かれている
・BからCに落とすとディスプレイに細かな傷が入る。ここが本当の分かれ目
・バッテリーは80%台前半と95%以上の差が4,200円しかない
・しかもバッテリーの経年劣化は保証対象外=選べるのは買うときの1回だけ
・容量128GB→256GBは11,500円で、世代をひとつ上げるのとほぼ同額
・元キャリアの違いは最大700円。SIMロック解除済みしか扱っていないので実質無関係
・同条件の在庫409台は全台62,300円ちょうど。探し回っても安いものは出てこない
・1年保証は過失によらない故障まで対象。落とした・濡らしたは別途 月500円の保険
物価が上がっている時期に節約しようとすると、つい「状態の悪いものでいい」と考えがちです。けれど数字を見るかぎり、そこで浮くのは数千円で、しかもバッテリーのように後から取り返せないものが混ざっています。
削るなら、ケースで隠れるキズ。削ってはいけないのは、バッテリーと、そのあとの1年です。そのうえで予算が足りなければ、世代をひとつ下げる。これがいちばん効きます。
※この記事の数字は2026年8月20日時点でにこスマ(www.nicosuma.com)のサイトに掲載されていた在庫データを集計したものです。中古品のため在庫と価格は日々変動し、集計した傾向も変わることがあります。また、これはにこスマ1社の在庫を数えたものであり、中古スマホ市場全体の相場を示すものではありません。保証・保険の条件、送料、支払い方法についても同日時点の公式サイトの記載にもとづいています。購入前には必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。なお本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
