海外通販の関税は「1万6,666円までならかからない」とよく言われます。
これは半分だけ正しい説明です。
税関の案内を読むと、Tシャツやセーターのようなニット製の衣類、革靴、革のバッグ、タイツなどは、1万円以下の免税の対象から外されています。
AliExpressで安いTシャツを1枚買っただけでも、受け取るときに税金と手数料を請求される可能性があります。
AliExpressは海外のサイトで、商品の多くは海外から届きます。
この記事では、税関の公式の説明をもとに、何がいくらまで免税になり、何がならないのか、そして注文する前に商品ページのどこを見ればいいのかを整理します。
先に結論:免税になるかどうかは「金額」と「何を買うか」で決まる
AliExpressで買った商品に関税や消費税がかかるかどうかは、税関のルールで決まります。
AliExpressは海外のサイトで、海外から発送される商品を買うと、自分で海外から輸入したのと同じ扱いになるからです。
税関の案内をまとめると、次の表のようになります。
| 買うもの | 1つの荷物の金額が1万6,666円以下 | それを超える |
|---|---|---|
| ほとんどの商品 (雑貨・ガジェット・布帛のシャツなど) |
原則として 関税・消費税はかからない |
関税・消費税がかかる |
| ニット製の衣類 (Tシャツ・セーターなど)、 革靴・革のバッグ・手袋、 パンスト・タイツ、スキー靴 |
免税の対象外 (課税対象) |
関税・消費税がかかる |
| 日本国内から発送される商品 | 海外から個人で輸入する形ではないので、この表のルールとは別 | |
よく言われる「1万6,666円まで」は、表のいちばん上の行にしか当てはまりません。
2行目のTシャツや靴、革のバッグは、たとえ1,000円の商品でも、1万円以下の免税は使えません。
以下、この3つを順番に説明します。
「1万6,666円」は、1万円を0.6で割った数字
税関の決まりでは、課税価格の合計額が1万円以下の荷物は、関税と消費税が免除されます。
ここでいう課税価格は、自分で使うために買う場合、海外での販売価格に0.6を掛けた金額です。
そのため、販売価格に直すと1万円÷0.6=約1万6,666円が目安になります。
人へのプレゼントではなく、自分で使うものを買うときの話です。
もう一つ大事なのが、「1つの荷物ごと」に判定されることです。
・郵便で届く場合は、1つの包みに入っている商品の合計で判定される
・同じ差出人から同じ宛先に、同じ時期に分けて送られた荷物は、合計で判定される
1点ずつなら1万6,666円に収まっていても、まとめて1つの箱で届けば合計の金額で見られます。
反対に、別々の店で買った商品が別々に届くなら、荷物ごとに判定されます。
注文画面の支払い金額が1万6,666円を少し下回る、といったぎりぎりの買い方は避けて、余裕を持たせておくと安心です。
Tシャツ・ニット・靴・革のバッグは、1万円以下でも免税にならない
この記事でいちばん伝えたいのがここです。
税関は、国内の産業への影響などを理由に、1万円以下でも免税にしない物品を決めています。
税関の公式ページに主なものとして挙がっているのは、革製のカバン・ハンドバッグ・手袋、編物製衣類(Tシャツ、セーター等)、パンスト・タイツ、スキー靴、革靴などの履物です。
| 税関が挙げているもの | AliExpressで見かける商品に置きかえると |
|---|---|
| 編物製衣類(Tシャツ、セーター等) | Tシャツ、ポロシャツ、ニット、カーディガン、スウェット、ジャージ素材の服 |
| 革靴・本底が革の履物、手袋・履物 | 革靴、ブーツ、スニーカーなどの履物全般、手袋 |
| 革製のカバン・ハンドバッグ | 本革・合皮をうたうバッグ、財布などの革小物 |
| パンスト・タイツ | ストッキング、タイツ |
| スキー靴 | スキーブーツ |

見落としやすいのはTシャツです。
Tシャツは布を編んで作る「ニット」の生地でできているのがふつうで、税関の案内でもニット製衣類の例として名前が出ています。
一方、ワイシャツのように布を織って作るシャツは、この例外には入っていません。
つまり、同じ「シャツ」でも、Tシャツは免税の対象外、織物のシャツは1万円以下なら原則免税、と扱いが分かれます。
AliExpressで服を選ぶときは、商品説明にある素材や編み方の記載も見ておくと判断しやすくなります。
これらの物は、20万円以下の荷物に使われる「簡易税率」も使われず、品目ごとの一般の税率で計算されます。
そのうえで消費税もかかります。
ただし、税関の計算では、課税価格の千円未満と、税額の百円未満は切り捨てられます。
安いTシャツ1枚のように金額が小さいと、実際に請求される税額も小さくなります。
それでも、税金がかかる荷物には、受け取るときに配送会社の手数料が別にかかる点は覚えておいてください。
数をまとめるほど税額も大きくなるので、注文の前に合計がどのくらいになるかを見ておきましょう。
受け取ってから「思ったより高かった」と受け取りを断ったり、注文を取り消したりするのは、相手の店にも配送にも負担をかけます。税金がかかる前提で、納得できる金額かどうかを先に決めてから注文するのが確実です。
注文する前に「発送国」と「何でできているか」を見てください
AliExpressの商品ページには、商品ごとに発送国が表示されています。海外から届く商品なら、この記事のルールで税金がかかるかどうかが決まります。Tシャツ・ニット・靴・バッグを選ぶときは、素材と編み方の表記もあわせて確認しておくと、受け取るときに慌てずに済みます。
▶ AliExpressで商品を探す
※ リンク先はAliExpressのトップページです。気になる商品名で検索してから、商品ページの発送国を確認してください
税金がかかったときは、受け取るときに払う
税金がかかる荷物がどう届くかは、運ぶ会社によって変わります。
郵便で届く場合、税関の説明によると、税金の合計が1万円以下なら、「国際郵便物課税通知書」と一緒に荷物が配達されます。
その場で税金と日本郵便の取扱手数料を払えば、荷物を受け取れます。
税金がかからない荷物は、そのまま配達されます。
国際宅配便で届く場合は、通関の手続きを配送会社などの通関業者が代わりに行い、税金とは別に通関手数料などがかかります。
金額や払い方は配送会社によって違うので、届いた連絡の案内に従ってください。

通知書に書かれた税額に疑問があるときは、払う前に、通知書に書かれている税関の窓口に問い合わせるよう税関は案内しています。
また、引き取らないまま一定の期間が過ぎると、荷物は差出国へ送り返されることがあります。
注文する前に、商品ページの「発送国」を見る
ここまでの話は、海外から発送される商品を買う場合のものです。
AliExpressの商品ページには、価格の近くの「サービス保証」の欄に発送国が書かれています。
2026年10月8日にTシャツの商品ページを見たところ、「発送国 Japan」と表示される商品がありました。
同じAliExpressの中でも、海外から届く商品と、日本国内から発送される商品が混ざっているということです。
日本国内から発送される商品は、すでに日本に入ってきている在庫から送られるので、この記事で説明した「受け取るときに関税や消費税を払う」流れにはなりません。
一方、海外から発送される商品は、届くまでに日数がかかり、荷物によっては受け取るときに税金を払うことになります。
発送国
海外か日本か。海外なら、この記事の免税ルールで判断する
素材・作り
Tシャツ・ニット・靴・革のバッグ・タイツは、1万円以下でも課税対象
1つの荷物の合計
それ以外の商品なら、目安は1つの荷物で1万6,666円以下
2028年4月から、1万6,666円という目安は使えなくなる
この記事の内容は、2026年10月時点の扱いです。
2026年3月に成立した法律で、ルールが2つ変わることが決まっています。
1つ目は、関税です。
自分で使う物の課税価格を販売価格の6割で計算する特例が、2028年4月1日に廃止されます。
廃止後は「1万円÷0.6=1万6,666円」という計算ができなくなり、目安は販売価格で1万円に近づきます。
2つ目は、消費税です。
海外から通信販売で発送される1万円(税抜)以下の商品について、2028年4月1日以後は、販売する事業者に日本の消費税の納税義務がかかります。
買う側から見ると、これまで免税だった少額の商品にも、価格の中で消費税の負担が生じる仕組みです。
制度が変わる前に慌てて買う必要はありません。必要なものを、税金を含めた金額で納得して買うのがいちばんです。
まとめ
AliExpressは海外のサイトで、海外から発送される商品は、自分で輸入したのと同じルールで税金がかかるかどうかが決まります。
多くの商品は、1つの荷物が1万6,666円以下なら原則として免税です。
ただし、Tシャツなどのニット製の衣類、靴、革のバッグ、タイツは、金額に関係なく免税の対象外です。
注文する前に、発送国と、何を買うのかを確認しておけば、受け取るときに慌てずに済みます。
実際に税金がかかるかどうか、いくらになるかは、荷物ごとに税関が判断します。
高額な買い物や、判断に迷う商品は、注文の前に税関の相談窓口(税関相談官)に問い合わせてください。
