先に結論を書きます。
松井証券の一日信用取引は、デイトレードで使うかぎり売買手数料が0円、金利と貸株料も0%です。これは本当です。

しかも"約定金額100万円以上なら0%"といった条件は、いまはありません。2022年9月1日の約定分から、金額に関わらず0%になっています。
ネット上には"100万円未満は1.8%"と書かれた記事がまだ残っていますが、それは改定前の情報です。

ただし、コストがゼロで済まない場面が2つあります。
ひとつは、当日中に決済しなかったとき。もうひとつは、プレミアム空売りを使ったときです。

この記事では、何が0円で何がそうでないのかを公式の記載どおりに整理します。デイトレードそのものをすすめる記事ではありません。

結論:デイトレードで使うかぎり、0円と0%は本当です

松井証券の一日信用取引は、返済期限が当日のデイトレード専用の信用取引です。松井証券が証券業界で初めて導入したもので、当日中に決済することを前提に、コストを極端に下げてあります。

コストの内訳は次のとおりです。

一日信用取引のコスト、内訳はこうなっています
◯ 0円で済むもの
売買手数料 0円金利・貸株料 0%。当日の大引けまでに反対売買、または現引・現渡で決済した場合が対象です。約定金額による条件はありません。
✕ 当日中に決済しなかったとき
公式には「当社の任意で当該建玉を決済します」と書かれています。つまり松井証券側で強制的に決済され、そのうえで1注文につき3,250円(税込3,575円)の手数料がかかります。
⚠ プレミアム空売りを使ったとき
制度信用では空売りできない銘柄を空売りできる仕組みですが、プレミアム空売り料が別途かかります。料金は銘柄ごとに変動し、前営業日の終値 × 1% が上限です。

0円になるのは"当日の大引けまでに反対売買、または現引・現渡で決済した場合"です。
逆に言えば、この条件を外れたときにお金がかかります。そこが今回いちばん伝えたい部分です。

この記事の立ち位置デイトレードをすすめる記事ではありません。すでに検討している方が、コストの条件を正確に把握するための整理です。信用取引は預けた資金を超える損失が生じる可能性のある取引なので、コストの安さだけで判断するものではありません。

「100万円未満は金利1.8%」は、もう古い情報です

一日信用取引について調べていると、"1約定100万円以上なら金利0%、100万円未満は1.8%"という説明をよく見かけます。

これは改定前の情報です。
松井証券は2022年8月25日のニュースリリースで金利・貸株料の無料化を発表し、2022年9月1日の約定分から、約定金額に関わらず0%になりました。

1約定の金額 2022年8月まで 2022年9月1日約定分から
100万円以上 0% 0%
100万円未満 1.8% 0%
売買手数料 0円 0円(変更なし)
※ 松井証券のニュースリリース「一日信用取引の金利・貸株料を無料化」(2022年8月25日)より。金利・貸株料はデイトレードした場合の率です。

つまり、少額で試す場合でも金利はかかりません。
"100万円に届かないから金利を取られる"と考えて避けていたなら、その前提はすでに変わっています。

なお松井証券はこれを"業界最安"と表現していますが、これはネット証券大手5社(松井証券・SBI証券・楽天証券・マネックス証券・三菱UFJeスマート証券)と比べた同社調べによるものです。

パソコンで株式取引のツールを操作しているイメージ
パソコンで株式取引のツールを操作しているイメージ

決済し忘れると、1注文につき3,575円

一日信用取引でいちばん注意したいのがここです。

当日中に決済しなかった建玉について、公式には"当社の任意で当該建玉を決済します"と書かれています。自分のタイミングではなく、松井証券側で決済されるということです。

そのうえで、1注文につき3,250円(税込3,575円)の手数料がかかります。

0円のつもりが、一気に3,575円になります手数料0円・金利0%という前提で少額を取引していた場合、決済を忘れた1回でそれまでのコスト面のメリットが消える、ということが起こり得ます。
しかも決済のタイミングを自分で選べないため、そのときの株価によっては想定と違う価格で決済されることもあります。"当日中に必ず決済する"が使う側の前提条件になります。

公式ページには、相場状況によっては注文が約定しない場合や、想定していた範囲から乖離した価格で約定が成立する場合がある、とも書かれています。

引け成行や指成、逆指値といった注文方法を使って、決済を取りこぼさない形にしておくことが前提になります。

プレミアム空売りは別料金です

もうひとつ、0円で済まない場面があります。プレミアム空売りです。

これは、制度信用取引では空売りできない銘柄(新興市場の銘柄やIPO銘柄など)を空売りできるようにする仕組みです。対象が広がるぶん、プレミアム空売り料という費用が別途かかります。

💰

料金は変動する

銘柄ごとに設定され、需給によって変わります

📈

上限は前営業日終値の1%

株価1,000円の銘柄なら1株あたり10円が上限

📅

持ち越すと日数分かかる

建株数 × プレミアム空売り料 × 持ち越し日数

🔍

対象銘柄は公式で確認

日々入れ替わるため、取引前に一覧を見る必要があります

上限が前営業日終値の1%というのは、0円と0%を前提にしていた感覚からするとかなり大きい数字です。プレミアム空売りを使うなら、これを取引コストとして計算に入れておく必要があります。

手数料の条件を公式サイトで確認する →

※ 手数料・金利は変更されることがあります

現物取引は、まったく別の手数料体系です

ここまで一日信用取引の話をしてきましたが、松井証券の現物取引はこれとは別の体系(ボックスレート)になっています。混同しやすいので整理しておきます。

1日の約定代金合計 現物取引の手数料(税込)
50万円まで 0円
100万円まで 1,100円
200万円まで 2,200円
以降100万円増えるごとに 1,100円ずつ加算
1億円超 110,000円(上限)
25歳以下の場合 金額にかかわらず0円
※ 25歳以下の無料は「26歳になる月の最終営業日取引分まで」です。誕生日ではなく月末が区切りになります。なお一日信用取引・NISA口座・単元未満株の売却・立会外分売の買付・電話取引・PTS取引は、この表とは別の体系です。

1日の約定代金の合計が50万円までなら0円。ここで言う50万円は1回の注文ではなく、その日の合計である点に注意が必要です。

また25歳以下は金額にかかわらず無料です。区切りは誕生日ではなく"26歳になる月の最終営業日取引分まで"なので、誕生月の月末までは無料が続くことになります。

現物の手数料だけで選ぶなら、他社のほうが有利です

正直に書いておきます。

SBI証券は"ゼロ革命"として、約定代金にかかわらず国内株式の現物・信用の売買手数料を無料にしています(各種書面を電子交付に設定することが条件)。楽天証券も"ゼロコース"で国内株式の売買手数料を無料にしています。

つまり現物取引の手数料そのものを比べるなら、50万円を超えると課金される松井証券は不利です。松井証券を選ぶ理由になるのは、この記事で見てきた一日信用取引の金利・貸株料が0%である点のほうです。

使う前に、信用取引そのもののリスクを

コストの話だけを見て始める種類の取引ではないので、最後に整理しておきます。

預けた資金を超える損失

信用取引は自己資金以上の取引ができるため、損失が預けた額を上回ることがあります

💰

追証が発生することがある

相場が動いて保証金が不足すると、追加の差し入れを求められます

当日中の決済が必須

一日信用取引は返済期限が当日。持ち越す前提の取引には使えません

📊

想定と違う価格になることも

相場状況により、約定しない場合や乖離した価格で成立する場合があります

この記事の位置づけ本記事は松井証券の公式サイトおよび公式リリースに書かれている内容を整理した一般的な情報で、特定の取引や金融商品をすすめるものではありません。投資判断の助言でもありません。
手数料・金利・プレミアム空売り料・適用条件は変更されることがあります。記載は2026年8月時点のものですので、実際に取引する前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。信用取引の仕組みとリスクを十分に理解したうえで、ご自身の判断で行ってください。
デイトレード時 手数料0円・金利0%

コストの条件は、申し込む前に公式で確かめてください

一日信用取引を使うには、総合口座に加えて信用取引口座の開設が必要です。手数料・金利・プレミアム空売り料の水準や適用条件は変更されることがあり、この記事の数字も2026年8月時点のものです。実際に使う前に、必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

▶ 一日信用取引の条件を公式サイトで見る
※ 信用取引は預けた資金を超える損失が生じる可能性があります。仕組みとリスクを理解したうえでご判断ください

まとめ

この記事の要点
  1. デイトレードで使うかぎり、売買手数料0円・金利/貸株料0%は本当。当日の大引けまでに決済するのが条件
  2. 約定金額の条件はもうない。2022年9月1日約定分から、金額に関わらず0%。「100万円未満は1.8%」と書いた記事は情報が古い
  3. 当日中に決済しないと強制決済され、1注文につき3,575円(税込)かかる
  4. プレミアム空売りは別料金。前営業日終値×1%が上限で、銘柄ごとに変動する
  5. 現物取引は別体系で、1日の合計50万円までが0円。25歳以下は金額にかかわらず0円

一日信用取引のコスト面は、条件を満たすかぎりたしかに軽いです。特に金利・貸株料が金額に関わらず0%になった点は、古い情報のまま避けていた人にとっては前提が変わる話だと思います。

ただし0円で済むのは"当日中に決済し、プレミアム空売りを使わない"場合です。そこを外れると3,575円や別料金が乗ってきます。使うかどうかは、その条件を守れる取引スタイルかどうかで判断するのが現実的です。

参考にした資料

・松井証券 一日信用取引 概要・魅力/手数料 ページ
・松井証券 ニュースリリース 2022年8月25日(一日信用取引の金利・貸株料を無料化)
・松井証券 現物取引 手数料 ページ(ボックスレート)
・SBI証券「ゼロ革命」/楽天証券「ゼロコース」の各社公式案内