結論:「ご祝儀+50万円」は定額プランではなく、自己負担の上限を先に決める方式です
先に結論を書きます。
名古屋市北区・上飯田の料亭「志ら玉」が掲げている「ご祝儀+50万円で和風結婚式」は、50万円で買えるパックプランのことではありません。公式サイトに書かれているのは、先に「ご祝儀+50万円」という枠を決めて、その枠に収まるように中身を組む、という順番です。
だから総額は招待人数で変わります。人数が決まらないと枠の大きさが決まらないからです。
公式サイトに書かれている順番
「招待客リストの人数から貰えるご祝儀+50万円を計算し、
その合計金額に収まるように結婚式プランを計画します」
— 志ら玉ウェディング公式サイト プランページより
読み飛ばしやすいところですが、順番が逆になっています。
「50万円のプランがあって、それを買う」のではありません。先に「ご祝儀+50万円」という枠を決めて、
その枠に収まるように中身を組むという書き方です。
だから総額は、招待人数によって変わります。人数が決まらないと、枠の大きさが決まらないからです。見積りをもらう前に自分の人数で計算しておくと、出てきた数字が想定どおりかどうかをその場で判断できます。
この前提で、人数ごとに総予算がいくらになるかを計算してみます。使うのは公式サイトが置いている「ご祝儀1人3.5万円」という数字と、R-BRIDAL(志ら玉の結婚式を手がけている名古屋の会社)の会場一覧に載っている「6名〜40名」という人数枠だけです。
「ご祝儀+50万円」を招待人数ごとに計算すると(試算・2026年8月時点)
| 招待人数 |
想定ご祝儀 公式の1人3.5万円 |
+自己負担50万円 =総予算 |
1人あたり |
6名 下限 |
21万円 |
71万円 |
11.8万円 |
| 10名 |
35万円 |
85万円 |
8.5万円 |
| 20名 |
70万円 |
120万円 |
6.0万円 |
| 30名 |
105万円 |
155万円 |
5.2万円 |
40名 上限 |
140万円 |
190万円 |
4.75万円 |
東海の結婚式は、招待客1人あたり9.5万円かかっているのが実勢です(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)。それと並べると、40名で挙げる場合の1人4.75万円は、ちょうど半分。逆に6名なら1人11.8万円で、実勢を上回ります。
※ 「想定ご祝儀」は志ら玉の公式サイトが置いている1人3.5万円という前提に人数を掛けた単純計算です。6名〜40名という人数枠は、R-BRIDAL公式サイトの会場紹介に記載されている数字です。実際の見積り金額を示すものではありません。
和装の結婚式・白無垢のイメージ
そもそも、結婚式の自己負担はいくらが普通なのか
50万円という数字が安いのかどうかは、比べる相手がないと判断できません。リクルートのブライダル総研が公表している調査で確認します。
結婚式の自己負担は、実際いくらなのか
全国の平均(2026年1月公表)
挙式と披露宴を1回ずつ実施した人の自己負担額は平均158.9万円。総額は298.6万円、ご祝儀総額は187.1万円、招待客1人あたりの費用は7.3万円でした(結婚マーケット調査2025)。
東海の平均(2024年10月公表)
東海に絞ると、自己負担額は平均172.7万円。総額348.0万円、招待客45.2人、1人あたり9.5万円で、全国平均(8.6万円)より高く出ています(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)。
もうひとつ、東海で目立つのが親からの援助です。76.3%が「援助があった」と答え、その平均は190.0万円。全国(74.2%・168.6万円)を上回っています。
⚠ この2つの数字は、そのまま比べられません
2025年から「ゼクシィ結婚トレンド調査」は「結婚マーケット調査」に統合され、調査対象がゼクシィの会員から全国20〜49歳の男女へ広がりました。母集団が変わっているので、「343.9万円が298.6万円に下がった」といった読み方はできません。ここでは「どちらの調査でも自己負担は150万円台〜170万円台」という水準の確認までにとどめます。
全国の平均が158.9万円、東海に絞ると172.7万円。この水準に対して「ご祝儀+50万円」という設計は、確かに自己負担の側を小さく置いています。
ただし、上の表で見たとおり、総額のほうは人数しだいで71万円から190万円まで動きます。そして実は、金額をいちばん大きく動かすのは人数ではありませんでした。
金額を決めているのは人数ではなく、「誰を呼ぶか」でした
公式サイトが置いている前提は、ご祝儀1人あたり3.5万円です。一方、ゼクシィ結婚トレンド調査2024が公表している間柄別の平均額は、友人が3.0万円、上司が4.4万円、恩師が4.1万円、親族が7.7万円。
つまり3.5万円という想定は、友人だけを呼ぶ場合に近い、かなり控えめな置き方です。親族が入るほど実際の金額は上に振れます。この前提で計算し直すと、こうなります。
同じ人数でも、誰を呼ぶかで集まるご祝儀はこれだけ動きます(試算)
| 招待人数 |
公式の想定 1人3.5万円 |
友人が中心 1人3.0万円 |
親族と友人が半々 1人5.35万円 |
親族が中心 1人7.7万円 |
| 10名 |
35.0万円 |
30.0万円 |
53.5万円 |
77.0万円 |
| 20名 |
70.0万円 |
60.0万円 |
107.0万円 |
154.0万円 |
| 30名 |
105.0万円 |
90.0万円 |
160.5万円 |
231.0万円 |
| 40名 |
140.0万円 |
120.0万円 ▼ 20万円下 |
214.0万円 ▲ 74万円上 |
308.0万円 ▲ 168万円上 |
40名で見ると、いちばん少ない見立てと多い見立てで188万円の開きがあります。「50万円」という数字より、誰を呼ぶかのほうが金額を大きく動かすということです。
※ 1人あたりのご祝儀は、ゼクシィ結婚トレンド調査2024の全国推計値(友人3.0万円/上司4.4万円/恩師4.1万円/親族7.7万円)を使った単純計算です。「半々」は友人と親族の中間値(5.35万円)で計算しました。夫婦での出席や連名など1人あたりで割り切れないケースもあるので、あくまで目安として見てください。
40名で見ると、友人中心の120万円から親族中心の308万円まで、188万円の開きがあります。自己負担の50万円という数字より、こちらのブレ幅のほうがはるかに大きい。
そして志ら玉は6名から40名の少人数向けの会場です。人数が少ないほど親族の割合は上がりやすいので、構造としては上に振れやすい側にあります。「ご祝儀+50万円」という設計が、少人数の会場で成り立ちやすいのはこのためです。
この試算の前提について上の金額は、ゼクシィ結婚トレンド調査2024が公表しているご祝儀の平均額に人数を掛けた単純計算です。実際にいくら包まれるかは相手との関係や地域の慣習で変わりますし、夫婦での出席や連名など1人あたりで割り切れないケースもあります。また、志ら玉のプランの内訳金額は公開されていないため、ここで計算しているのはあくまで「ご祝儀としていくら集まりそうか」までです。実際の請求額は見積りで確認してください。
相談に行く前にやっておくと効くのは、招待客リストを作って、友人・親族・上司の内訳まで数えておくことです。人数だけでなく構成まで伝えられれば、最初の見積りの精度がまるで変わります。
「式の後に払える」は、ご祝儀払いの結婚式では効く条件です
ご祝儀で支払う前提の式には、もうひとつ現実的な壁があります。支払いのタイミングです。
「式の後に払える」が効く理由
「結婚式の費用は結婚式の前に支払うのが一般的ですが
志ら玉では結婚式の後にお支払い頂けます」
— 志ら玉ウェディング公式サイト プランページより
一般的な式場は前払いです。挙式の1週間ほど前に全額を振り込む形が多く、
ご祝儀が手元に入るのは式が終わったあと。つまり、いったん自分たちで立て替える現金が要ります。ご祝儀で払う前提の式であっても、
前払いだと「その日までに200万円を用意する」という別の問題が発生するわけです。
式の後に払えるなら、その日に受け取ったご祝儀をそのまま支払いに回せます。「ご祝儀+50万円」という設計が現実に成立するかどうかは、ここが効いています。
⚠ ただし「後払いの範囲」は会場ごとに違います
R-BRIDALの会場一覧では、会場に付くタグとして「当日or後払いOK」のほかに「飲食以外 後払いOK」という別のタグが用意されています。つまり全額が後払いになる会場と、飲食代だけは先に払う会場があるということです。志ら玉に付いているのは前者ですが、支払いの期限がいつなのか、何をいつまでに払うのかは公式サイトに書かれていません。ここは見積りの段階で書面にしてもらってください。
R-BRIDALは本体サイトで、一般的な結婚式について「見積時平均250万円から請求時平均359万円へ」という数字を挙げ、自分たちは「衣裳・お花・ヘアメイク・写真など、良いものを選んでも23万円以内に収まる」と説明しています。上振れの幅をあらかじめ上限つきで示している、ということです。
この23万円という数字が自分たちの場合にどう当てはまるのかは、見積りをもらってはじめて確かめられます。
「50万円」に何が入っているのか
公式サイトには、含まれるものの一覧が出ています。料金の内訳ではありませんが、何が別料金になりそうかを判断する材料にはなります。
公式が「含まれる」と書いている14項目(2026年8月時点)
✓ コース料理 ✓ フリードリンク ✓ 挙式(人前式)
✓ ブーケ・贈呈用花束 ✓ プロカメラマン撮影 ✓ 会場費
✓ 花嫁衣装・紋付き袴 ✓ ヘアメイク ✓ 招待状・席次表・席札
✓ 消費税・サービス料 ✓ 司会者 ✓ 引出物・引菓子
✓ 人件費・音響機材
✓ 三三九度の挙式会場費は追加料金なし
公式サイトには「会場内に『三三九度』を行える環境が整っておりますので、追加料金が発生することなく儀式を執り行うことができます」と書かれています。挙式と披露宴を同じ建物で完結できるので、移動も発生しません。
衣装・ヘアメイク・カメラマン・司会・引出物まで入っているので、項目としてはひととおり揃っています。会場が料亭そのものなので、会場費も内側に入っています。
気をつけたいのは、このリストに載っていないものです。載っていない=含まれない、とは限りませんが、少なくとも公式サイトの表示だけでは判断できません。
料亭の座敷と懐石料理のイメージ
公式サイトには書かれていないので、相談で聞くこと
✕ 何名まで入るのか
志ら玉ウェディングの公式サイトには収容人数の記載が一行もありません。人数が書かれているのはR-BRIDAL本体の会場一覧のほうで、そこには「6名〜40名」とあります。一方、公式の事例ページには「鯛の最高の焼き加減を60人ほぼ同時に出せる技術」という新郎新婦のコメントが載っていて、40名を超える式も行われているようです。呼びたい人数が決まっているなら、いちばん最初に伝えてください。プランの前提そのものが変わる部分です。
✕ 神社で挙げる場合にいくら足されるのか
志ら玉には「神前式+志ら玉」というプランがあり、公式サイトでは「志ら玉より車で15分/20分/21分/25分/27分」と所要時間だけが並んでいて、神社名も費用も書かれていません(事例ページからは三輪神社・那古野神社・護國神社が確認できます)。神社に納める初穂料、移動、貸衣装の延長がどう扱われるかは記載がないので、「神社で挙げたい」と決めているなら、その前提で見積りを出してもらってください。
✕ 演出は基本料金に入るのか
公式サイトは芸妓による祝舞、鏡開き、着物とドレスの両方を着るという3つを「和婚らしい演出」として紹介していますが、「ご用意できます」と書かれているだけで料金の記載がありません。上の14項目のリストにも入っていません。志ら玉らしさが出るのはまさにこの部分なので、やりたい演出があるなら名指しで金額を確認してください。
⚠ 支払いとキャンセルの条件
後払いに対応しているとは書かれていますが、支払いの期限、分割の可否、キャンセル料の規定はどこにも公開されていません。式場は申込金を入れてから当日までの期間が長いぶん、ここは書面で確認しておく価値があります。
⚠ ゲストの足
会場は地下鉄上飯田駅3番出口から徒歩2分(名城線・平安通乗り換え)。名古屋駅からはタクシーで約25分と案内されています。駐車場の台数は書かれていないので、車で来るゲストが多いなら確認が要ります。
どれも相談の場で聞けば済む話です。逆に言うと、聞かないまま進めるとあとから追加になりやすい項目でもあります。メモにして持っていくのがいちばん確実です。
志ら玉が向いている人と、たぶん向かない人
ここまで整理してくると、この会場が噛み合う相手とそうでない相手がはっきりしてきます。会場は上飯田の1か所しかないので、先に確認しておいたほうがお互いに早いはずです。
相談に行く前に、噛み合うかどうかを確認しておく
噛み合いやすいのは、こういう人
● 名古屋市内・愛知県内に住んでいて、会場を実際に見に行ける
● ゲストが40名以内に収まりそう(親族中心の食事会に近い規模)
● 白無垢や色打掛を着たい/和装の写真を残したい
● 料理でもてなしたい。演出よりも食事と会話を中心にしたい
● 神社で挙式して、そのあと食事会をしたい
● 式の前にまとまった現金を用意するのが難しい
噛み合わないのは、こういう人
● ゲストが50名を大きく超える。公表されている枠は40名までです
● チャペルで挙げたい/ドレスが主役。ここは料亭で、和装が前提です
● 大きなスクリーンや照明を使った演出重視の披露宴をしたい
● 名古屋まで通えない。オンライン相談はありますが、会場は上飯田の1か所だけです
● 費用をとにかく最小にしたい。ここは料理の値段を落とさない方針を公言しています
最後の1点は公式サイトがはっきり書いています。「料理の値段を落とすことは料理の味も落とすのと同義」だから料理は削らず、そのぶん「料理以外の費用は抑え気味にしてございます」と。どこを削ってどこを残すかの方針が先に決まっている会場なので、そこが自分たちの優先順位と合うかどうかが、いちばん最初の判断になります。
料亭そのものについて補足しておくと、「御懐石 志ら玉」は名古屋の古い商家と奥三河の田舎屋、茶室「笑庵」を移築して建てられた茶懐石の料亭です。公式には江戸時代の建物を移築したものと紹介されていて、ミシュランガイドと食べログ百名店にも選出されています(星の数までは公表されていません)。結婚式の会場である前に、現在も営業している料亭だということです。
つまり、料理を目当てに一度食事に行って自分たちの目で確かめてから決める、という進め方もできます。
会場は名古屋市北区・上飯田の1か所です
人数とゲストの構成を決めてから、見積りをもらってください
この記事で計算できるのは、公式サイトが置いている前提(1人3.5万円)に人数を掛けたところまでです。実際の見積りは、招待人数・ゲストの構成・やりたい演出が決まってはじめて出てきます。逆に言えば、その3つをメモして持っていけば、1回の相談で「自分たちの場合いくらか」がはっきりします。相談はリモート(Zoom)と来店のどちらかを選ぶ形で、費用はかかりません。ただし会場は上飯田の1か所なので、実際に検討できる範囲かどうかを先に確かめてください。この記事の内容は2026年8月時点のものです。申し込む前に、必ず公式サイトで最新の表示をご確認ください。
▶ 志ら玉の公式サイトを見る
※ 地下鉄上飯田駅3番出口から徒歩2分。名古屋駅からタクシー約25分です
まとめ:相談に行く前に決めておく5つのこと
💴
「50万円」は上限であって定価ではない
公式は「ご祝儀+50万円に収まるようにプランを計画する」と書いている。先に枠を決めて中身を組む方式なので、総額は人数で変わる
👥
総予算は6名で71万円、40名で190万円
公式の想定(1人3.5万円)で計算した試算。1人あたりの予算は40名だと4.75万円まで下がる
🎌
金額を動かすのは人数より構成
ご祝儀の平均は友人3.0万円・親族7.7万円。40名なら120万〜308万円の幅が出る(試算)
🗓
式の後に払える
一般的な式場は前払いで、ご祝儀が入る前に全額が要る。ただし支払い期限とキャンセル規定は公式に記載がない
📍
会場は上飯田の1か所
地下鉄上飯田駅から徒歩2分。人数枠は6〜40名と公表されている。通える範囲かを先に確認する
「ご祝儀+50万円」という表示だけを見ると、50万円で結婚式が買えるように読めます。実際に公式サイトが書いているのはそうではなくて、自己負担を50万円に置いたうえで中身を組み立てる、という設計方針でした。だから最初にやるべきなのは、料金表を探すことではなく招待客リストを作ることです。
人数と、友人・親族・上司の内訳。この2つが決まっていれば、自分たちの場合の枠がいくらになるかはこの記事の表でだいたい見当がつきます。そのうえで見積りをもらえば、出てきた数字が想定どおりかどうかをその場で判断できます。
※この記事の内容は2026年8月29日時点で、志ら玉ウェディング(siratama-wedding.com)、料亭「御懐石 志ら玉」(siratama.jp)、およびR-BRIDAL(rbridal.jp)の各公式サイトに掲載されている表示にもとづいています。結婚式費用とご祝儀の統計は、リクルート ブライダル総研「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」および「結婚マーケット調査2025」の公表値を参照しました。プラン内容・料金・各種条件は変更されることがあります。申し込む前に、必ず公式サイトで最新の表示をご確認ください。